一口にアルミといっても

アルミニウムは、軽量・高強度・耐食性といった特性を兼ね備え、幅広い産業で活用される代表的な金属です。ONIプレシジョンにおいても、食品機械、医療機器、半導体装置など多様な分野でアルミ部品の加工実績を積み重ねてきました。アルミは種類ごとに特性が大きく異なり、その違いが使用環境や加工方法の選定に直結します。
目次
アルミ材の種類と用途
アルミニウムには多くの合金系統が存在し、それぞれの特性が異なります。A1100系は純度の高いアルミで、熱伝導率は約220 W/m・Kと非常に高く、放熱性や熱交換性能を必要とする部品に最適です。電気伝導性にも優れているため、導電部材や放熱板に幅広く利用されます。A5052は耐食性に優れ、食品機械や屋外装置で多用されます。A6061は強度と加工性のバランスが良く、一般機械部品に幅広く適応可能です。さらにA7075は高強度アルミとして航空機や高荷重部品に利用されますが、加工難度が高く、工具摩耗への配慮が不可欠です。このように、材質ごとに特性と用途が明確に異なるため、設計段階からの適材選定が重要となります。
表面処理による性能向上
アルミ加工では、切削そのものだけでなく表面処理が性能や用途を大きく左右します。特に食品関連機器ではアルマイト処理(陽極酸化皮膜)が代表的で、耐食性や耐摩耗性を高めるだけでなく、食品衛生面でも安心して使用できます。硬質アルマイトは摺動部や摩耗環境に最適で、無電解ニッケルめっきは耐薬品性や導電性を付与でき、特殊な食品機械や医療機器にも対応可能です。さらに、アルマイト処理は着色によるデザイン性の向上にも寄与し、外観品質の高い製品づくりを可能にします。
最適提案による付加価値
ONIプレシジョンの強みは、単なる切削加工にとどまらず、「材質特性」と「使用環境」に基づいた最適な処理提案を行う点にあります。例えば、熱対策が必要な装置ではA1100系を活用し放熱効果を発揮させ、耐摩耗性が求められる部品では硬質アルマイト処理を推奨します。このように、材質選定と表面処理を一体的に考えることで、部品性能を最大限に引き出します。
まとめ
アルミニウムは「軽い」「削りやすい」といった一般的な認識を超え、材質・加工条件・処理方法によって性能が大きく変化する素材です。ONIプレシジョンは、これらを総合的に判断し、精密加工から表面処理までを一貫して対応することで、お客様にとって最適なアルミ部品を提供し続けています。単なる素材の加工にとどまらず、用途に応じた最適解を導き出すパートナーとして、今後もアルミ加工の可能性を広げていきます。