樹脂切削加工品を調達する際のコツ
目次
金属加工部品と比較して、樹脂加工部品の調達が困難な理由
昨今の軽量化ニーズに伴い、金属加工部品から樹脂加工部品への材質変更を検討される企業様が増えています。一方で、ただ金属部品を樹脂に代替することは難しく、例えば、切削加工においては、樹脂切削は反りや割れが発生しやすい特性を持つなど、金属部品を樹脂化する際に気を付けなければいけないポイントがあります。そのため、部品調達をする場合には、加工委託会社が素材の特性に合わせた加工を行えているかの確認が必要であり、輸送時のキズを防止するために、適切な梱包材を使用して包装出来ているかなど、十分な対策が講じられているかをチェックすることが重要となります。
樹脂加工におけるポイント
各樹脂ごとの特性を理解した上で、適切な加工が重要となります。なぜなら、耐熱性や吸水性、加工時の環境温度による変形などが起こってしまうからです。
①MCナイロンの加工ポイント
MCナイロンは吸水性や吸湿性が高く、また熱によって膨張する性質を持っています。そのため、吸水による膨張と熱膨張が寸法変化の原因となってしまいます。
②PEEKの加工ポイント
PEEKは非常に硬い素材であるため、加工を行う際に切削条件や切り込み方法を上手く調整しなければ、欠けてしまう可能性があります。
③POMの加工ポイント
POMは機械的強度と耐衝撃性を備えた優れた樹脂材料ですが、耐候性が低いため、材料の管理方法によっては変色や変形してしまいます。
このようにそれぞれの材質によって、強みと弱みが存在するため、それらを理解した加工会社に部品加工を委託することが非常に重要となります。
樹脂加工部品の調達を進める上でのポイント
先述の通り、加工知識を持った加工会社に委託することが重要となります。また、エンプラやスーパーエンプラのような不足しやすい材料は、在庫を常にお持ちのメーカー様を選定することが必要になります。そのため、部品加工会社を選定する上では、その企業がどの材料をメインで取り扱っているのか、低単価な仕入れルートを持っているのかを確認しておくことも良いでしょう。
加えて、数量が多くなると、切削加工の方が加工コストが増加してしまいますので、そういった場合に工法転換を柔軟に対応出来る加工会社を抱えておくと良いでしょう。製品の形状や素材によって、ロット数は変わりますし、切削加工から射出成型や注型成形にすることで製品単価を抑えることが可能です。調達担当者はいかに要求通りの製品を安く仕入れるかが仕事になりますので、品質・納期・価格のバランスが取れた調達先を選定することが求められます。
海外部品調達のことなら、ONIプレシジョンにお任せ
当社の調達先は精密加工を得意とする企業が多く、円筒研削、平面研削などの各種研削加工、マシニング・旋盤などの切削加工、ワイヤーカット放電加工等の様々な加工をあらゆる材質に精密加工することが可能です。コスト優位で調達先を選ばれる場合には、海外調達もご提案することが可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
おすすめの記事
-
- 調達の悩み
- アルミ切削加工
- アルミマシニング加工
- アルミ旋盤加工
アルミ部品を調達する際の注意点
- 調達の悩み
- アルミ切削加工
- アルミマシニング加工
- アルミ旋盤加工
昨今の軽量化ニーズでアルミ部品の使用頻度は高まっています。 しかし、アルミは繊細な材質であるために調達方法によっては ご要望通りのアルミ部品を調達できないケースがあります。 そこで、今回はアルミ部品の調達について、実例とともにご紹介させていただきます。詳しく見る
-
調達先を出来るだけ1社に統一するべき理由とは?
調達担当者は自社の売上を向上させるために、 部品調達先が本当に最適な企業なのかを常に吟味しています。 よって、今依頼している企業から他の企業への変更も付き物です。 しかし、その変更に伴って発生する問題もありますので、 今回はそちらについて、ご紹介させていただきます。詳しく見る
-
手間のかかる調達業務は『調達代行』で解決!
調達部門は、生産に必要な資源を適切な購入価格、納期、品質で調達する重要な役割を果たします。 加えて、供給リスクを最小限に抑えるために、継続的にサプライヤーのパフォーマンスを評価と監視し、 新しいサプライヤーの開拓をしています。 調達部門は企業の収益性に直結する部門であるため、 仕事も多岐に渡り、業務詳しく見る