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番手によるアルミの加工性の違い

番手によるアルミの加工性の違い | ONIプレシジョン

軽量性、耐食性、加工性に優れるアルミニウムは多岐にわたる分野で活用されていますが、その番手によって加工性は大きく異なります。本コラムでは、市場で頻繁に用いられる代表的なアルミ合金、A5052、A7075、A2017、A6061に焦点を当て、それぞれの加工性の特徴を詳細に解説します。

アルミニウムの基本特性と幅広い用途

①A5052

A5052は、アルミニウム合金の中でも最も切削性に優れていると言っても過言ではありません。その最大の特長は、加工時の歪みが極めて少ないことです。このため、高い精度が要求される部品の加工においても、安定した品質を維持することができます。また、A5052はアルマイト処理をはじめとした表面処理も容易に行うことができる点も大きなメリットです。耐食性や耐摩耗性を向上させるための表面処理をスムーズに行えるため、最終製品の信頼性を高めることができます。。

A5052の加工におけるポイント

切削抵抗が低く、工具への負担が少ない:高速切削においても比較的安定した加工が可能です。

良好な切りくず処理性:切りくずが細かく分断されやすいため、工具への巻き付きや加工面への悪影響を抑制できます。

精密加工に適している:歪みが少ないため、高精度な寸法や形状が要求される部品の加工に最適です。

②A7075

A7075の最大の特徴は、アルミニウム合金の中で最も高い強度と硬度を誇ることです。「超々ジュラルミン」とも呼ばれ、航空機やスポーツ用品など、極めて高い強度が必要とされる分野で使用されています。しかし、その高い強度と硬度は、切削加工においては大きな課題となります。A7075は、加工時の歪みが非常に大きく、平面度や平行度といった高精度な加工は非常に難易度が高くなります。熟練した技術と、歪みを考慮した加工方法、そして適切な治具の選定が不可欠となります。また、A7075は一般的に溶接性や耐食性が低いというデメリットも抱えています。そのため、使用環境や接合方法によっては、追加の対策が必要となる場合があります。

A7075の加工におけるポイント

高い切削抵抗:強度が高いため、切削時に大きな抵抗が発生し、工具の摩耗が早まる傾向があります。

熱影響を受けやすい:加工時の発熱により、歪みや寸法変化が生じやすいため、適切な冷却が重要です。

適切な工具と切削条件の選定:高硬度材に適した工具と、低速・高送りのような慎重な切削条件の設定が重要です。

純アルミニウムは比較的強度が低いものの、合金化することでその強度を大幅に向上させることができます。特に、ジュラルミン(A2017、A2024など)や超々ジュラルミン(A7075)といったアルミニウム合金は、非常に高い強度を誇ります。例えば、超々ジュラルミンであるA7075の硬度は約160HBであり、一般的な鉄鋼材(SS400:約130HB)やステンレス鋼(SUS304:約187HB程度)と比較しても遜色ない強度を有しています。航空機の構造材などに利用されるのは、この高強度という特性があるためです。ただし、ジュラルミン系の合金は一般的に溶接性が悪く、耐食性が低いといったデメリットも存在するため、用途に応じた適切な選択が重要となります。

③A2017

A2017は、A7075には劣るものの、高い硬度を持つアルミニウム合金です。「ジュラルミン」として知られており、航空機部品や構造材などに用いられてきました。A7075と同様に、A2017も加工後の歪みが出やすいという特性を持っています。そのため、高精度な加工を行うためには、歪みを考慮した工程設計や治具の工夫が必要となります。A2017は、A7075と比較すると切削性はやや良好ですが、それでも一般的なアルミニウム合金と比較すると難易度は高いと言えます。アルミニウムは熱伝導率が高く、優れた放熱性を有しています。この特性は、電子機器のヒートシンクや自動車のエンジン部品など、熱を効率的に逃がす必要がある部品に活用されています。

A2017の加工におけるポイント

比較的高い切削抵抗:A7075ほどではありませんが、切削抵抗は高めです。

歪み対策が重要:加工順序、クランプ方法、冷却などを検討 し、歪みを抑制する必要があります。

適切な工具選定:高硬度材に対応した工具を選定することが、加工精度と工具寿命の維持に繋がります。

④A6061

A6061は、加工後の歪みが比較的少ないという特長を持つアルミニウム合金です。中程度の強度と良好な耐食性を持ち、幅広い用途で使用されています。

しかし、A6061はアルマイト処理などが上手く乗らない場合があります。これは、材料の成分組成や表面の状態に起因するものであり、処理前に表面の清浄度や活性化処理を行う必要があります。

A6061の加工におけるポイント

比較的良好な切削性:A5052ほどではありませんが、比較的スムーズな切削が可能です。
歪み抑制に有利:精密な形状の部品加工においても、比較的安定した精度を得やすいです。

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部品調達においては、最終製品に求められる強度や機能だけでなく、加工性も重要な選定基準となります。各合金の特性を十分に理解し、製品の形状、精度要求、量産性などを考慮した上で、最適なアルミ材を選択することが、高品質な製品を効率的に製造するための鍵となります。

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