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部品調達コラム

MCナイロン加工について

MCナイロン加工について | ONIプレシジョン

今回は、産業界で広く使われている高機能樹脂、MCナイロンの調達について、品質とコスト、そして安定供給を両立させるための重要なポイントをお伝えいたします。

MCナイロンの種類と選び方

MCナイロン(三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ株式会社の登録商標)は、その優れた機械的特性から、様々な産業分野で利用されています。しかし、MCナイロンと一口に言っても、多くの種類があり、それぞれが異なる特徴を持っています。貴社の用途に最適なグレードを選定することこそが、調達成功への第一歩となります。

主なグレードとその特性

  • MC901 / MC900NC(標準グレード):MCナイロンの代名詞ともいえる標準的なグレードです。MC901は鮮やかな青色、MC900NCはナチュラルホワイトで、その性能に違いはありません。特にMC901(青色)は市場流通量が圧倒的に多く、納期やコスト面での優位性から、まず検討いただく基本となるグレードです。
  • MC801(耐候・摺動グレード):屋外での使用や、部品が擦れ合う場所で使う場合、このグレードが適しています。MC901に特殊なグラファイトが加えられており、耐候性、摺動性、耐摩耗性が向上しています。色はメタルブラックまたは暗灰色です。
  • MC703HL(超高摺動グレード):軸受やガイドのように、特に高い摺動性能と耐摩耗性が求められる用途には、特殊な潤滑剤が添加されたMC703HLが役立ちます。これにより、部品の寿命を延ばすことにつながります。
  • MC602ST(高強度・高耐熱グレード):MC901の連続使用温度が約120℃であるのに対し、MC602STは約150℃と、耐熱性と機械的強度がさらに高められています。高温環境下や、常時高い負荷がかかる部品の検討に有効なグレードです。
  • MC501CD R2 / R6 / R9(帯電防止・導電グレード):電子部品製造や静電気対策が必要な環境では、このグレードの利用が推奨されます。カーボン系の充填剤が加えられており、R2は導電性、R6は帯電防止性、R9は帯電防止に加え耐熱性を持ちます。静電気による製品ダメージのリスクを大幅に軽減します。

これらのグレードの特性を把握し、貴社が求める具体的な性能と照らし合わせることで、無駄なく、そして性能不足の懸念を減らした調達を進めることができます。

MCナイロンの「青」色に込められた背景と実用性

MCナイロンの代表的な色といえば、MC901の鮮やかな青色を思い浮かべる方も多いかもしれません。実は、この青色は単なる着色以上の意味を持っています。元々は白っぽいアイボリー色でしたが、他の樹脂材料が白、黒、茶色といった限られた色だった時代に、「青」という色が製品に注目を集めるきっかけになったとも言われています。

また、食品工場などでは、もし部品が破損して異物として混入してしまった場合に備え、食品と明確に区別できる「青色」が好まれる傾向があります。これは、異物混入のリスク管理において有効な方法の一つとされています。性能面については、青色とナチュラルホワイトのMC901/MC900NCに違いはありませんので、色の選択は用途に合わせて検討することが大切です。

高精度を実現するための技術

MCナイロンは優れた素材ですが、その特性を最大限に引き出し、設計通りの部品を作るためには適切な加工技術が求められます。当社のサプライヤーネットワークを通じて、お客様は極めて要求の厳しいMCナイロン加工品を安心して調達可能です。

  • 高精度な切削加工:半導体製造装置部品など、非常に高い寸法精度が求められる場合、±0.01mmといった高い精度での加工に対応できることがあります。MCナイロンの切削加工では、熱による変形を防ぐために冷却液(切削油)を使用することがあり、その後の丁寧な洗浄工程も品質には欠かせません。適切な切削速度や送り速度の設定など、これまでの経験に基づく加工ノウハウが、複雑な形状の実現に役立っています。
  • 溶着による部品製造:一体成型が難しい複雑な形状の部品や、大きな部品を作る際には、樹脂材料を熱で溶かし、部品同士を溶着する技術も利用できます。これにより、設計の自由度を高めたり、組み立て工程を簡略化したりすることにもつながります。

これらの先進的な加工技術と、品質管理体制を駆使することで、貴社のMCナイロン部品調達におけるあらゆる課題に対し、高品質かつ安定したソリューションをご提供します。

まとめ

MCナイロンは、その多彩な特性と加工技術の進歩により、現代の産業において重要な役割を担っています。調達部門の皆様がMCナイロンの特性を深くご理解いただき、適切な加工パートナーと連携することで、貴社の製品品質向上やコスト効率化に貢献できると考えております。

MCナイロンの調達に関してご不明な点や、具体的な部品のご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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