公差の中の公差?

ONIプレシジョンでは、精密切削加工における課題に対し「公差の中に公差を作る」という独自の考え方を導入しています。図面に記載された公差を守ることは当然の使命ですが、製造現場では「公差の範囲内に収まれば問題ない」と捉えがちです。しかし、その中にばらつきがあると、部品が集合して機械装置やアッセンブリとなった際に性能や動作の差が生じる危険性があります。ONIプレシジョンは、単に公差を満たすのではなく、その中でさらに基準を設けて加工を行うことで、性能の安定性を保証しています。
目次
具体的な取り組み事例
例えば、図面に±0.02mmの公差が指定されている場合、社内ではさらに厳しい±0.01mm、あるいは±0.005mmを内部基準として設定します。これにより、すべての部品が図面上の公差範囲内でありながら、寸法のばらつきが抑えられ、最終的な装置組立における性能の安定が確保されます。つまり「不良品ではない」というレベルから一歩踏み込み、「安定性を確実に担保する品質」へと進化させているのです。
技術と測定の両立
この取り組みを成立させるためには、加工技術と測定技術の両立が欠かせません。切削条件を最適化し、工具摩耗や熱変位を管理しながら、加工段階から狙い寸法に寄せる工夫を実施。さらに、三次元測定機や画像測定器、面粗度測定器を駆使し、精度を数値として保証します。「削る」「測る」「制御する」を一体で行うことで、安定した寸法の実現を可能にしています。
人材教育による全員参加型品質保証
人材教育も重要な柱です。ONIプレシジョンでは製造に関わる全員が国家検定を取得し、検査員と同じ視点で部品を扱える体制を築いています。現場作業者が「公差の中に公差を作る」という意味を理解し、加工や検査に反映させることで、全員参加型の品質保証が実現しています。これにより、検査部門に依存しない現場全体での品質担保が可能となっています。
お客様に提供する価値
結果として納入される部品は、図面通りであることはもちろん、組み立て時に安定して性能を発揮できる状態でお届けできます。これこそがONIプレシジョンの品質哲学であり、長年にわたり精密加工を通じて信頼を積み重ねてきた理由のひとつです。私たちは図面に記された公差を単なる“許容範囲”と捉えるのではなく、「安定した製品性能を実現するための品質の約束」と考えています。
今後の展望
ONIプレシジョンは今後も「公差の中に公差を作る」という姿勢を貫き、確かなものづくりでお客様の装置開発を支え続けます。高精度な加工と徹底した品質保証を両立させることで、常に一歩先の信頼を提供していきます。