焼入製品の研削レス加工

金属部品加工では、フライス加工や旋盤加工を施した後、焼入れを行い、その後に研削仕上げで精度や表面粗さを確保するのが一般的です。研削は精度再現性に優れ、安定した仕上げを可能にしますが、その分工程が増え、コスト上昇や納期延長が避けられないという課題があります。
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解決策:「研磨レス」=ハードターニング
ONIプレシジョンでは、この課題に対処するため「研磨レス」加工に取り入れることがあります。マシニングセンターや複合旋盤を駆使し、通常なら研削工程に回す高硬度材を直接切削で仕上げることで、工程短縮とコスト削減を両立させています。実際にHRC65以上のハイス鋼を切削加工した実績もあり、難削材に対する対応力は大きな強みです。
適材適所の工法選択
ただし、全ての部品が研磨レスで対応できるわけではありません。特に摺動性が求められる部品では、表面粗さや耐久性が直接性能に関わるため、研削仕上げを選択する必要があります。ONIプレシジョンでは「どの部位を切削で仕上げ、どの部位を研削に委ねるか」をお客様と打ち合わせながら決定し、効率性と信頼性を両立した加工を実現しています。
ハードターニングのメリットと課題
ハードターニングの最大のメリットは、研削レスによる工程削減とコストダウンに加え、治具替えや段取り替えを減らすことで納期短縮が可能になる点です。一方で、切削痕が摺動部に影響を与える場合や、使用環境によって摩耗寿命に差が出るなどの課題もあります。そのためONIプレシジョンでは「全てを研磨レスに置き換える」のではなく、最適な工法を組み合わせるハイブリッドなアプローチを重視しています。
コストダウン以上の価値提供
ONIプレシジョンの研磨レス技術は単なるコスト削減手段ではありません。お客様にとって必要な精度・耐久性・コストバランスを追求するための最適解であり、設計意図や使用環境を共有しながら柔軟に選択されます。結果として、お客様は高品質な部品を短納期で、かつ安心して利用できるのです。
新たな可能性を切り開く姿勢
研削が常識とされてきた分野においても、切削で挑戦し、新たな可能性を広げる。それがONIプレシジョンの研磨レス加工に込められた姿勢です。私たちはこれからも技術革新に挑み、ものづくりに新しい価値を提供し続けます。